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袋のうさぎさんのお気に入りコメント(4/23)

凱里ブルース(2015/中国)★4 ファーストカットはほゞ360度パンニング。部屋の中をパンニングし、カメラは途中で、開いたドアを抜け、テラスの方へ前進移動する。飲んだくれの犬、と呼ばれる犬がウロウロしている。というように、前半の凱里の町では、緩やかにパンニングで見せるカメラワークが見どころだ。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
凱里ブルース(2015/中国)★4 旅の話だ。行き先は男(チェン・ヨンチョン)のなかに堆積し、関係性があいまになってしまった、かつては確かに「存在していた」はずなものと、いつの間にか「失っていた」ものの断片が織りす混沌。すなわち残された男の時間のなかで足踏みを続ける“今”のなかだ。 [review] (ぽんしゅう)[投票(3)]
エイリアン:コヴェナント(2017/米=英)★4 容赦ないグロはともかく、キーマンがちょっと他に例を見ないレベルで狂っており、このキレ振りは凄いとワクワクしながら見た。私のSF偏差値は全然高くないので詳しい方には序の口なのかもしれないが、手塚治虫が本気で病的な側面を晒したのに触れたような感触がある。 [review] (DSCH)[投票(1)]
ジャッキー・ブラウン(1997/米)★5 元来私はタラの暴力的な所が好きではない。E・レナードはちょっといい話を書くので好きな作家、だった。レナードのいい小説にタラが見事な演出をしている―登場人物が皆な演技派だ。タラらしくない作品と言われるが、私にとれば、タラ色が濃いレナード作品だ。 [review] (KEI)[投票(3)]
ジャッキー・ブラウン(1997/米)★5 今の成金主義ハリウッドに、年収百五十万程度の稼ぎしかない中年女を主人公に、娯楽映画撮ろうという気骨な監督が他にいるか? どうして会話だとか、技巧だとかでしかタランティーノを観てやらないんだ。 [review] (kiona)[投票(17)]
在りし日の歌(2019/中国)★5 高台からの風景がいい。開巻の、ため池を見渡せる土手の上。ラストの、大きな霊園を望む、小高い山の上の墓地。これらは、オープニングとエンディングで綺麗に呼応し、人物を客観視する俯瞰を生む。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
フリーソロ(2018/米)★4 クライミング映画は幾つかあったが、本作は両親、恋人が特にしっかり描かれていて、親しみが持てる。もう1つは恋人が評する、彼の‘素直な性格’が見ていて好感につながる。しかし他の達人と同じく、ずば抜けた技術のみならず集中力、精神力に目を見張る。 (KEI)[投票(1)]
グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)★5 どれほど無茶な行動であれ目的成就に資すると直感したならば、彼/彼女は一片の逡巡もなしにそれに及ぶ。ソン・ガンホパク・ヘイルペ・ドゥナはもとより、父ピョン・ヒボンポン・ジュノ的「受難の少女」たるコ・アソンまでもが徹底して「英雄」である。英雄的行動、その反射性・瞬間性に感動する。 [review] (3819695)[投票(8)]
ミネソタ無頼(1964/伊=仏=スペイン)★4 崖上の騎兵隊の兵士。ゆるやかにズームアウトすると、刑務所のような施設だと分かる。主人公は囚人のキャメロン・ミッチェルだ。ハリウッドからミッチェルを迎え、レオーネの『荒野の用心棒』と同年に製作された、コルブッチの初期西部劇。これが、結構かっちり作られているので驚いた。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
ビリディアナ(1961/スペイン)★4 シルヴィア・ピナルの美しさに見惚れているだけで物語の辻褄合わせには全く興味が無くなってしまう。夢遊病を示す部分や馬車に曳かれる犬を買う部分は何だったんだろうと思うが、こういう放りっぱなしもブニュエルらしさ。しかしきちんと使われる伏線は見事。特に縄跳び紐の使い方はちょっと無いほど衝撃的。 (ゑぎ)[投票(2)]
ビリディアナ(1961/スペイン)★5 ビリディアナ(シルビア・ピナル)の無垢な美貌が輝けば輝くほど俗欲はかきたてられ、献身の純度が増せば増すほど怠惰な依存は深まる。ブニュエルの分かりやすい語り口に心地よくのせられる私は俗人の極み。彼女の“気づき”の気配が、さらに俗人の快感を誘う。 (ぽんしゅう)[投票(2)]
桃色の店(1940/米)★5 やっぱりエルンスト・ルビッチこそ最高の映画監督かも知れない、という思いにつかれる。 [review] (ゑぎ)[投票(6)]
ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(2019/米)★4 序盤の家族の事情聴取場面。こゝの、なかなかピントが合わないダニエル・クレイグと、彼がビアノの鍵盤を叩く、音の演出で、まず、くすぐられる。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
不審者(1951/米)★4 クレジット前のアバンタイトル、最初のカットは窓寄りカット。窓の向こうはバスルームでヒロインのイヴリン・キースがタオルを巻いた姿で登場し、窓外(観客側)を見て驚いた表情をし、カーテンを下す。そこにタイトル。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
恐怖のまわり道(1945/米)★5 これは傑作だ。まずは開巻間もなく、主人公トム・ニールが、ハイウェイ横のダイナーで、思い出の曲を聞いて回想に入る処理に唸る。唐突にローキーになり、ジュークボックスのレコード盤から、NYのクラブのドラムセットのバスドラムに繋ぐ、円形のマッチカット。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
女狙撃兵マリュートカ(1956/露)★4 これは驚くほど、すっごいメロドラマ。また、序盤は西部劇のよう。砂漠。砂嵐。こんなロケーションにも関わらず、クレーン上昇移動を2回やる。マリュートカは革命軍遊撃隊の狙撃の名手。射殺した敵の人数をカウントしており、現在40人目。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
スプリングフィールド銃(1952/米)★4 これはかなりプロット展開の面白い西部劇だ。善玉、悪玉がシフトして驚かす。一方で、これも斜面の西部劇であり、岩山の西部劇なのだ。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
リチャード・ジュエル(2019/米)★4 クリント・イーストウッドの『間違えられた男』。「濡れ衣」「取り違え」もイーストウッド的主題だ。むろん彼の作品歴でも屈指の傑作たる『ミスティック・リバー』『チェンジリング』に伍する作劇の殺傷力は望めないものの、それらが忘れていた二の句を失わせる催笑演出でシーンの活性化が図られている。 [review] (3819695)[投票(5)]
群衆(1928/米)★4 忘れられないシーン、画は、どの映画にもあるものだ。特にヴィダーの場合、ここぞという‘決めのシーン’では、しっかりとその演出を決めて来る。私は彼の事を‘決めのヴィダー’と呼んでいる。     [review] (KEI)[投票(1)]
堕ちた天使(1945/米)★4 本作のプレミンジャー、絶好調じゃないか。ジョセフ・ラシェルの仕事ぶりもノリノリの感じ。屋内の寄り引き、屋外の移動やパンニング、縦横無尽だ。どうしたら、こんなに自由自在に繋ぐことができるのだろうと思う。もう魔法のよう。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]