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[コメント] バベル(2006/仏=米=メキシコ)

国際社会を擬人化にて表現した作品。聾唖の女子高生千恵子に象徴される日本若しくは日本人。知ることも発言することも奪われ泣いている(狂っている)千恵子の絶望的な姿が痛々しい。・・・と解釈してみた。
Myrath

 作品中に出てくる歪な光景の東京(バベル)というのは、資本主義社会(というより金融覇権?)全体を表現した暗喩で、日本だけを表わしたものではないと思います。そして、日本を象徴するのは綿谷千恵子。千恵子という一人の女子高生が擬人化された日本若しくは日本国民、と解釈した方がしっくり当てはまりそうです。(そもそも「バベル」の解釈をどうするかにもよるけど)。

 この千恵子の苦しみ悲しみというのは、私達日本人と日本が抱える問題なのだと思います。ここら辺に監督の日本に対する愛情のようなものが垣間見れた気がしました。監督の出身国メキシコも色々大変みたいですから同情かもしれないですね。

 この映画すごく難しかったです。モロッコのこともメキシコのことも全然知りませんし、銃というキーワードをどう理解するか等々。でも難しく考えないで観ても解釈を変えて観ても面白い作品です。もしかしたら名作かも。

 あと、役者さんのことも。

 ケイト・ブランシェットの演技が凄くて、見ているこっちまで痛くなりました。ブラピも上手いからでしょうか、迫真さが二人の絡みによって倍増しているようにも感じます。医者が必要なのに呪い師が頑張ってくれたりで、演出も最高です(笑)。 出ている役者さん全員素晴らしい演技をみせてくれる作品です。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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