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[コメント] トータル・リコール(1990/米)

初公開時の劇場にて、私は映画の最初から最後まで夢心地
Myrath

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画のテーマ曲「The Dream」。

映画が始まって先ずオープニング曲が聴こえて来た。これが滅茶苦茶カッコ良く「誰だろうこんな曲を作ったのは。チェックだ!」と思いオープニングクレジットを追ってたら「MUSIC BY JERRY GOLDSMITH」! 私の超お気に入りの作曲家の名前がクレジットに!(ジェリーゴールドスミスにしては分かりやすい曲だが格好良さはいつも以上)。物語始まる前から私はもう既に「The Dream」夢の中。

物語が中盤に差し掛かった頃「人の価値を決めるのは記憶ではなく行動だ」という台詞が出てくる。これはすごく重要に感じた。「過去と現在」「夢と現実」この映画の根幹ともいえる台詞である。

そして後半「貴様はどこの誰でもない。とるに足らん夢さ」という台詞が出てくる。上の人間から下の者に対する使い捨てを意味した言葉なのだが「人間五十年・・・夢幻の如くなり・・」などを連想してしまう意味深さもある。このようにこの作品は脚本が憎らしいほど粋な台詞で彩られているからたまらない。

そして夢とも現実ともつかない微睡の心地良さの中いよいよラスト・・・

メリーナ「まるで夢みたい」

シュワ「・・・」

メリーナ「どうしたの?」

シュワ「こう思ったんだ もし夢だったら・・・」

メリーナ「目が覚める前に早くキスして」

ニューシネマパラダイスでの束になってかかってくるキス大量特集でも敵わない程にこのキスシーンのラストには圧倒された!正確に言えば呆気に取られた(笑)。

キスと同時に、太陽の光が2人を包み込み画面がグワッと真っ白くなり、それにより映画館劇場内も最大に明るく観客同士で顔がはっきり見えるまでになり、エンディングクレジットへ! 楽曲は冒頭でも使った「The Dream」!!!

これ以上はないほどクサ過ぎる位の過度な演出で、もう完璧にハリウッド映画王道の大団円!

この監督の性格上ハリウッドを茶化しているのかもしれないのだが茶化しながらも楽しんで撮っているに違いないと思えるほどクサい!(クサい=良い意味)。観てる方も楽しくなる。そしてこの監督、映画のラストで「人の夢が面白いか?」と観客を突き放したとみせかけて「人の夢の話ほど面白いものはない事」を教えてくれている。

作品のっけから夢世界へと突入させられていた私はテーマ曲「The Dream」にてやっと、まるで催眠術から開放されたかのように目が覚めた。・・・と思っているだけでまだ夢の中なのかもしれない(笑)。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ゑぎ[*] けにろん[*] サイモン64[*] DSCH

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