[コメント] 歓びの喘ぎ 処女を襲う(1981/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
学校をさぼって劇場にて鑑賞。劇場で観たのだから当時私は成人してた筈(笑)です。
この物語は・・・
ある貧しい漁村、汚染した魚を食べていたことにより脳に障害を持ってしまった娘がいた。ある日娘は不良少年達に騙され犯され、やがて性の悦びを知るようになる。
・・・と、こんな感じで始まります。(30年以上前に一度観ただけなので少し記憶が曖昧)。
もう一度観てみたいと思いながらも最近までタイトルすら思い出せず当然監督が誰なのかも分からないまま私にとっては幻の映画になっていました。(現在はネット検索でスタッフ等も明らかに)。主演女優は山地美貴というあまり知られていない女優さん。童顔丸顔のアイドルっぽいルックスの素敵な女優さんです(若くして亡くなられたという情報あり)。
「この作品で仕事が来なくなってもいい」と覚悟をしていたという高橋伴明監督渾身の力作『歓びの喘ぎ 処女を襲う』(原題:死に急ぐ海)観る機会がある方は是非観てほしい。私の「すごい映画だった」という記憶は、観た当時私がまだ若かったからなのか記憶違いなのか・・・。ネット上では、空前の傑作とか、戦慄すべき傑作とか、絶賛している記事も見掛けるけど、もう一度観て確かめたいです。当時の採点で★5
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----ここから更にネタバレ・観る機会がある方は読まないで下さい---- .
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●私が選んだ名場面1
「してくれよー、おっとう、きもちいいことしてくれよお、してくれよー」という台詞を主演女優(山地美貴)が連発する場面があります。
この場面は、観る側が官能的に感じたなら感じた分以上の絶望感が後から襲ってくるという、他のどんな映画でも味わったことが無い非常に非常に悲しく恐ろしいシーンでした。喩えて言うなら「興奮したら毛が絡んで突っ張って痛え!」みたいな (非常に失礼しました)。
●私が選んだ名場面2
主人公(下元史朗)が、はじめは拒絶していた汚染魚を最終的に仕方なく食べる個所があるのですが(食べたかどうかちょっと曖昧)、このシーンは「闘うことを諦め敗北を認め、自分の敵であるはずの酷い社会の一員になる」ということの暗喩も含んでいたのではないかと、観終わって30年以上経った今、そう思ったりしています。
●この映画とは
頭の中ピンク色でコソコソしながら劇場に入ったのに、
心の中どんよりで涙の痕をコソコソ隠しながら劇場を出るという、
ピンク映画の客を思いっ切り裏切る映画。
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因みに:2011年春、私は関東の自宅で家族と食事中に
この映画の「汚染された魚を食べるシーン」を思い出してしまいました。
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■1980年代前半・田舎の映画館にて鑑賞■
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