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[コメント] 永遠のマリア・カラス(2002/伊=仏=スペイン=英=ルーマニア)

フランコ・ゼフィレッリお得意の奇麗事を並べた上っ面だけの映画。 マリア・カラスの歌はマリア・カラスの歌として、ファニー・アルダンファニー・アルダンとして楽しむべし。ということは・・・
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







晩年のマリア・カラスファニー・アルダン)に若い頃の声を乗せるという企画自体やっぱり失敗だったというわけさ。

面白いのは、ファニー・アルダンがカルメンを演じるのではなく、ファニー・アルダンが演じているマリア・カラスがカルメンを演じているという状況をファニー・アルダンが演じているという点。 ま、そういった複雑なロジックの面白さは上っ面で流されちゃうんだけど。

フランコ・ゼフィィッ、ゼフィッレ、ゼレフィッ、あー言いにくい、ゼフィレッリは、もういい爺さんのはずだが、相変わらず「男女のファーストコンタクト」のシーンだけは上手いなあ。 だけどそこから先の葛藤は相変わらず奇麗事なんだよなあ。 「背景の嘘は許されて、声の嘘は許されないのか!」なんてテーマもおざなりだしなあ。現代のCG偏重傾向に鋭く切り込んだってよかったろうに。

しかし最後の字幕で「ボケ爺さんになった監督の妄想」って白状しちゃうのって凄いよな。え?そんなこと書いてないって?

いずれにせよ史実とかけ離れた形でマリア・カラスを描いて何がしたかったんだ? どうせなら架空の人物にすりゃよかったのに。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)りかちゅ[*] トシ[*]

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