コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゴダールの探偵(1985/仏)

ゴダールの『パルプ・フィクション』。たかが映画じゃないか。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実は私、ゴダール嫌いだったもので、商業映画復帰後の80年代以降のゴダール作品って1本も観たことがありません。有り体に言って、2023年の「追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭」で観た本作が初鑑賞。

いまさらナンですが、やっぱり嫌いだわ(笑)

止まった画面に空虚な言葉が延々と重ねられる頭でっかちゴダールの悪い癖。出来の悪いアニメみたい。ほんとに(画面が)動かないで能書きばっかり。安楽椅子探偵か!

この映画公開当時、日本ではミニシアターブームと好景気が重なって、いろんな外国映画を買い漁ってたんですよ。ゴダール作品もその一つで、なんならちょっとしたゴダールブームでしたよ。六本木とかで上映されてた記憶がある。だから世間的には「オシャレ映画」として捉えられてたようにも思います。実際、私の友人も(普段は映画なんか全然観ない人だったけど)映画館に観に行ったそうで、「観客の頭が四角や三角になっていくのが分かった」って感想を言ってました。それ、正しい感想。難解というか理解不能というか、何故こんな撮り方をするのか理解不能。そこまで解りにくくすることに何の意味がある?って思っちゃう。

ツマランツマラン言うとりますが、ちょっと面白いことに気がつきましてね。

タランティーノが『はなればなれに』ファンらしいんです。もしかすると、彼は意外にもゴダール好きかもしれません。そう考えるとこの映画、『パルプ・フィクション』っぽいと思いません?複数の話が交錯するところとか、ボクシングの八百長試合とか。

パルプ・フィクション』っぽいってことに気がついたら、映画ってそんなに高尚なものではないということを思い出しました。ヒッチコックが言うところの「たかが映画じゃないか」。ゴダールは無駄に持ち上げられすぎ。結果、所詮映画なんて「6と9を見間違えた」程度の話を2時間近くかけて描くようなもんなんですよ、という映画に思えてきた。そう考えると深いな。

余談

ジャン=ピエール・レオが出てるのは知ってたけど、『ラ・ブーム』の父ちゃんも出てたな。てゆーか、あんた『はなればなれに』にも出てたんだ。

(2023.05.03 ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞)

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。