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[コメント] ラストデイズ(2005/米)

劇中歌がすべて。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どうも。鑑賞後2ヶ月近く経ってるのに、いまだに『ロック・オブ・エイジス』が腹立たしいペペロンチーノです。そしたらキネカ大森名画座でロックな死に様映画をやるってんで、「だってカートみたいだから、あたしがコートニーじゃない」と歌いながら遠征してきたよ。いやまあ、ニルヴァーナに特別な思いはないんだけど、あの80年代のロック歌謡を終わらせてくれたバンドだと思ってるよ。

基本的にこの映画、カッタルイんだ。無駄な長回しとか、意味の分からないカット尻の長さとか。 けど、「Death to Birth」だっけ?ワンカット・アコギソロの劇中曲を聞いた時、その前のワンカット一人演奏も合わせて、「この人は音楽のために生まれてきた人なんだ」と思った。それがカート・コバーンかどうかは別として。

それが分かったら、この映画の全貌がすごくクリアに思えてきたんです。 彼がこの家で過ごした数日間は、この曲を生み出すための時間と空間だったんだと。そしてそれは、生きるためでも死ぬためでもなく、再生するためだったんだと。

もしかするとこの空間は、黄泉の国みたいなもんで、生と死の境界線だったのかもしれない。 そこに訪れる広告屋やモルモン教徒や私立探偵。それが何を意味する“記号”なのか、私には正しく読み取れませんが、何やら世俗の諸々の象徴のような気がするのです。 彼にまとわりつく世俗の諸々を振り払って、ただ純粋に音楽に身を投じる。それはたぶん、静かな魂の叫びなのでしょう。そして彼は、音楽の神様に召され、再生するのです。

いい映画だ。

(12.11.18 キネカ大森にて鑑賞)

(評価:★3)

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