コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] M:i:III(2006/米)

久々に見た「マクガフィン」の教科書
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







正直、あまり期待していませんでしてね。 三作目ともなれば、『ミッション・インポッシブル』の枠(もしくは名前だけ)を借りた凡庸なアクション映画なんだろうと、んなもん最近のパチンコ・パチスロと一緒じゃねーかっ!「CRミッション・インポッシブル」かっ!くらいのことを言ってやろうと思ってましたよ。

メッチャ面白かった。

ネタバレになるから詳しくは書かないけど、トム様の行動理由も黒幕の意図も(終わってみれば)明確。 ま、トム様、本来なら「職業意識」「正義感」から動くべきだけどね。しかし、「スパイ大作戦」的にはナシでも映画的にはアリ。むしろ盛り上がる動機だしね。

とにかくこの監督、アクション演出が秀逸。 二作目ジョン・ウーのような「オイオイ(苦笑)」感のない節度(既にNakamyura氏が同様の事を言っているが)。いや、まあ、上海のビルはどうかと思いますが。 一見ゴチャゴチャしているが、実は人物の立ち位置なども分かりやすい。

そして「ラビットフット」の使い方。ヒッチコックが言うところの「マクガフィン」。 登場人物の動機にさえなれば、それが何であるかは重要でない。「バニーちゃんの脚」だろうが「女子高生の太もも」だろうが「OLのタイトスカート」だろうが関係ない。

おそらくこの監督、三池崇史が持ち合わせていない「節度」を生まれながらに持ち合わせているのだろう。ま、ここで三池崇史を持ち出す必要はないのだが。 その節度というかセンスが安定した「アクション職人」なのだろう。役者やら脚本やらプロデューサーやらに振り回されていない印象が残る。そこが『Mr.&Mrs.スミス』との決定的な違いだ。ま、ここでブラピを持ち出す必要もないのだが。

ただ、このスパイ達、道具は一流でも仕事は二流だけどな。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)すやすや[*] Myurakz[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。