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[コメント] マイアミ・バイス(2006/独=米)

苦笑、失笑、そして退屈。弱点のないヒーローは魅力がない。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「不精ヒゲを描き続ける作家」と私が呼んでいるマイケル・マンだが、相変わらずの不精ヒゲっぷり。

前作『コラテラル』がコケたせいかどうか知らないが、自身を一線級に押し上げたテレビシリーズを(今さら)持ち出してきたのだが、「マイアミ・バイス」である必要があったのだろうか?まあ、ただの客寄せなんだろう。 ちなみに『コラテラル』は「ヒッチコック・コメディー」って言ってんだけどなあ(<俺だけ)。誰も信じてくれないんだよなあ。

ただねえ、『ヒート』の時もそうだけど、マイケル・マンにとって「得手」だと思われる話だと、かえって「締まりがない」気がする。 飛行機とばしては「どう?カッコイイだろ?」、高速艇走らせては「どう?カッコイイだろ?」、スポーツカーかっ飛ばしても、銃激戦しても「どう?どう?カッコイイだろ?」と、いちいち指さし確認されている気がして鼻につく。 はいはい、もう分かりましたから。

じゃあ、話自体がカッコイイかっていうと、どうかなあ? 部分部分の演出はとても巧いのだが、何かこう、話自体に燃えるものが感じられない。 なもんだから、カッコイイ演出が次第に過剰に思えてしまい苦笑。 見つめ合うコン・リーとコリン・ファレルに違和感を感じて失笑。 そして、かすり傷一つ負わないパーフェクトな主人公達に退屈。 あのねえ、世界の用心棒・ミフネだって、カリオストロ・ルパンだって、一度はボロボロになるんですよ。そこから這い上がるから、見ているこっちは応援するんだし、燃えるわけですよ。

「スタイリッシュなアクション映画」ということは分からんではないのだが、それだったらもっとコンパクトでいい(時間も話のスケールも)。

ついでにどーでもいい話だが、コリン・ファレルとジェイミー・フォックスは、契約時に「ベッドシーンとシャワーシーンを均等に入れること」という条項でも盛り込んだのだろうか?二人ともベッドシーンである必然性も感じなければ、シャワーシーンは全然必要ないと思うのだが。ただでさえ長い映画なのに。

(評価:★2)

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