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[コメント] アンタッチャブル(1987/米)

私の中で「若い頃観た時は面白かったけど、今観るとくだらねえな」の代表作。触れちゃいけないのかもしれないけど、脚本が超絶ダサい。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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午前十時の映画祭で再鑑賞。スクリーンで観るのは公開当時以来、三十数年ぶり。

映画って、いつ観るかって重要だと思うんです。自分の年齢と製作年(どのくらい昔か)の2軸に於いて。 この映画、私の中で「若い頃(公開時に)観た時は面白かったけど、今観るとくだらねえな」の代表作。

公開当時は「デ・パルマらしくない」「大して面白くない」「でも嫌いじゃない」という感想だったのですが、今回改めて観て「意外にデ・パルマらしい」「嫌いじゃない」「でもビックリするくらい本当に面白くない」に感想が変わりました。

だって、アルマーニのスーツはカッコいいのに脚本が超絶ダサいんだもん。触れちゃいけないのかもしれないけど。

これ、プロデューサー主導の企画物だったと思うんですよ。 往年の人気テレビドラマのリメイク。ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロという名優を露払いにしたケビン・コスナーアイドル映画。アイドル映画の話のツマラナさに目くじら立てちゃいけないんだよね。誰だよプロデューサー。アート・リンソン?オオッ!『初体験/リッジモント・ハイ』のプロデューサーだ。フィービー・ケイツ!

なぜデ・パルマが監督に起用されたのか分かりませんが、この手の大味な作品は向いてないと思うし、この手のメジャー大作も初めてに近かったと思うんですよね。デ・パルマの勧善懲悪ヒーロー物って最初で最後じゃない? なので当時は「らしくねーな」と思いながら、クライマックスとも言える駅の階段乳母車落ち『戦艦ポチョムキン』オマージュで、やっと溜飲を下げたように記憶していました。

改めて観たら、記憶以上にゴリゴリ・デ・パルマだった。

ヒッチコックよろしくズームを使わないのはもちろん、スタビライザーのない時代にカメラをグリングリン移動させるし。 「デ・パルマと言えば覗き、覗きと言えばデ・パルマ」でおなじみ覗きシーンはショーン・コネリーの家のシーンで存分に用いられるし。 乳母車以前に駅であっち見たりこっち見たり、怪しいな?あ違った的なシーンって、ヒッチコックよくやるよね。例えば『北北西に進路を取れ』の飛行機に襲撃される直前とかさ。 ケビン・コスナーとショーン・コネリーが教会で話すシーンの、遠近両方にピントが合ってる変な撮影は、たぶん『ダイヤルMを廻せ!』でやってた手法じゃないかな。 それにクライマックスは『戦艦ポチョムキン』じゃなく『めまい』だった!笑っちゃうほど『めまい』だった!実際、笑った。

そういった意味では楽しかったし「嫌いじゃない」。まあ、いいか。

余談

「イタリア人はアメリカに移民してギャングになれたが、それより遅く移民してきたアイルランド人は警察官くらいしかなるものがなかった」というような台詞があったと記憶していたんだが、そんな台詞は全然無かった。どの映画の記憶なんだ?

(2021.04.04 TOHOシネマズ新宿にて再鑑賞)

(評価:★3)

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