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[コメント] ぼくのエリ 200歳の少女(2008/スウェーデン)

ハリウッドリメイク版を先に観てしまっていたが、こっちの方が全然面白い。てか、あのリメイクの駄作っぷりは何だったんだ?
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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評判の高さは聞いていたのに見逃して、クロエちゃん見たさに観たクソリメイク版『モールス』だけ観ていた。 ほとんど同じ話なのに映画の出来は全然違う。 正統派奇譚物。現代のゴシックホラー。そして俺の好きな「世界に二人だけ」映画。これはイイ。

ハリウッドリメイク版の監督は『クローバーフィールド/HAKAISHA』のマット・リーヴスだったわけだが、おそらく「ホラー=バイオレンス」という概念しかなかったんじゃなかろうか(<勝手な推測)。だいたいロサンゼルスで生まれ育った奴が「雪で閉ざされた街」なんて皮膚感覚で描けるはずがない。

考えてみればベルイマンを生み出したお国柄。 勝手なイメージだが、スウェーデン映画は内省的なイメージがある。 ハリウッド映画は「外敵を倒す」ことに腐心するせいか、何だか「騙した女が悪いのか、騙された男が悪いのか」みたいな話に見えてしまう。

しかしオリジナル版は違う。 思い返せば、少年は最初から「ここではないどこか」を求めていたように思えてくる。 そしたらもう運命の出会いだよね。 観客は彼の行く末を案じて(というか既に提示されている)、それ故怪談・奇譚として成立しているのだが、彼にとってみれば幸せな結末だったんじゃないだろうか。

(12.08.03 CSにて鑑賞)

(評価:★4)

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