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[コメント] ショウほど素敵な商売はない(1954/米)

「チッ!これだからハリウッド映画は」と言いたくなるこれだからハリウッド映画は映画。こういうの観ると、元ミュージカル嫌いとハリウッド嫌いが頭をもたげてくる。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







大画面で『お熱いのがお好き』を観てマリリン・モンローに惚れちまったもんだから、遠路はるばるこの映画に足を運んだわけさ。そしたらなんと腑に落ちない映画。 芸人一家の波乱万丈記かと思ったら、肝心な所は全部台詞かナレーション。 何の目的で作られた映画かさっぱり分からん。

この監督、『王様と私』の時も思ったけど、歌や踊りを見せてれば客が喜ぶと思ってる節がある。 何でも爆発させればいいと思ってるレニー・ハーリンと同じ。 いや実際、客は喜んでるんだけどさ。レニー・ハーリンの場合は知らんけど。

調べてみたら、ミュージカル「アニーよ銃をとれ」の劇中歌「ショウほど素敵な商売はない」がヒットしたもんで、それでもうイッチョ作りますか、ってんで作られた企画物らしい。『帰って来たヨッパライ』と一緒だ。観てないけど。監督は大島渚だよ。

んで、まず歌や踊りが決められる。大衆は「芸」を見に来てるだけだからね。あとは「芸」をつなぐ適当なシナリオを書くだけ。ストーリーなんかどうだっていい。とにかく「芸」を見せて金を得るのが目的の映画。それがハリウッド。 この時代はこの手の映画が多いんですよ。ミュージカル映画でも脚本がしっかりしてくるのは60年代以降になるのかな。

そうなると、芸達者に出演してもらう必要がある。ところが芸達者ばかり集めたら地味すぎて集客できない。 そこで引っ張り出されるのが花形役者=マリリン・モンロー。それが上手かろうが下手だろうが関係ない。彼女の役目は集客だけ。これがハリウッド。ショウビジネスほど素敵な儲け話はない。その客寄せパンダに引っかかったのがこの俺。モンローポン引き。

長男戦死して、次男は交通事故で人を死なせちゃって、娘は悪い男に騙されて、旦那は若いダンサーと駆け落ちして、それでも「ショウほど素敵な商売はない」とステージで熱唱するならいい映画だと思うよ。

(10.02.14 TOHOシネマズ府中にて鑑賞)

(評価:★2)

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