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[コメント] 人間革命(1973/日)

日本のチャールトン・ヘストン=丹波哲郎先生ほぼ全編出ずっぱりの大説教映画。丹波哲郎は本当に凄い。カンペ読んでるくせに。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







AKBのCDみたいなもんで売れたからヒットしたというわけではないんですが、73年の観客動員数第2位だそうですよ(ちなみに1位は『日本沈没』ね)。 しかし言わずと知れたプロパガンダ映画なもんだから、2006年にDVD化されるも一般発売はされず(私の知人はわざわざシナノ企画まで買いに行ったそうだ)、「カナザワ映画祭2009」で上映されたそうですが、橋本忍追悼企画で2018年に日本映画専門チャンネルで放映された以外お目にかかれない作品(私が観たのはこのCS放映の録画)。

でも噂には聞いていたんですよ、丹波哲郎が凄いって。丹波哲郎自身は死んだら驚いたそうですが、観たら驚いた。ほんとすげぇ。 私は『ノストラダムスの大予言』(74年)を「丹波哲郎先生の大演説」映画と呼んでいましたが、この『人間革命』は「丹波哲郎先生の大説教映画」と呼ぶことにしました。

この頃の丹波哲郎は絶好調で、私の知る限りでも『砂の器』(74年)のスーパー刑事、『事件』(78年)のスーパー弁護士、『日本沈没』(73年)のスーパー総理大臣と上り詰め、戦時中も『軍旗はためく下に』(72年)のスーパー軍曹、『激動の昭和史 沖縄決戦』(71年)のスーパー参謀長、最終的には『零戦燃ゆ』(84年)山本五十六、『大日本帝国』(82年)東条英機まで上り詰めるんですよ。『空海』(84年)じゃ桓武天皇だからね。最後は『大霊界』に行っちゃうけどね。昔はタイガー田中(『007は二度死ぬ』(67年))だったのに。

つまり丹波哲郎は、この映画の言う所の「十道」を行き来した人なのですよ。

ただねぇ同じプロパガンダ映画でも、レニ・リーフェンシュタール『意志の勝利』は入党しようかと思うほど心酔したけど、この映画はそれほど心動かされなかったんだよなあ。丹波哲郎は面白いし、橋本忍や舛田利雄はきっちり職人仕事をしてるんだけどね。みうらじゅんの地獄道の話の方が面白いもん。

(評価:★3)

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