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[コメント] サンドラの週末(2014/ベルギー=仏=伊)

多様性を受け容れる物語。んー、どうにも気持ちが乗らない。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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水那岐さんの「深刻そうな他人事」というコメントが一番しっくりくる。 いやもう、申し訳ないとしか言いようがないんだけどさ、なんだか経営者側の視点で観ちゃうんだよね。『プラダを着た悪魔』だってプラダを着た悪魔側の視点で観てたしね。どうせ悪魔に魂を売った人間ですよ。『ローズマリーの赤ちゃん』ですよ。

正直言って、国情が分からんのです。

観る前は、てっきりシングルマザーだと思っていたのですが、ちゃんと夫がいる。ちゃんと職にも就いている。裕福には見えないけど、そう生活に困窮しているようには見えない。「公営住宅に戻ればいいじゃない」と言うと「それは嫌だ」と言う。公営住宅がどんなもんか分からない。なんなら「生活レベル下げたくないだけ?」とさえ思ってしまう。

そんな会社辞めちゃえよ。新しい職を探せや。そんなに転職が大変な環境なのかね?そもそも「同僚の投票で決める」って発想が日本人にはないわ。ほんと、国情が分からん。てか、これ、どこの国だよ?

この映画が描こうとしている本質は、社会派的な何かよりも、「人それぞれの価値観」「多様性」なのではないかと思うのです。

社会派的なことであれば、もっとサポーターを描写してもいい。サンドラについてすら、そう好意的に描いているとは思えない。悪の親玉的な扱いになっている主任(だったかな?)も「え?俺なんかした?」的な感じで描いている。

「真実は一つ」なんてのは嘘っぱちで、ましてや白黒ハッキリつけられるものでもなく、事象は一つでも、感じ方は人ぞれぞれ。おそらくこの映画は、戦う映画ではなく、多様性を「受け容れる」映画なのだと思う。

(15.06.21 ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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