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[コメント] 殿、利息でござる!(2016/日)

硬軟どちらにも偏り過ぎない、現代的な松竹大船調時代劇。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







宮城県のKHB東日本放送開局40周年記念の映画だそうで、そういう映画だということを理解して観ると、「いろんなことが分かっている」中村義洋が頼まれ仕事を無難にこなしているのが分かります。

これ、知られざる偉人伝なんですよね。 内容的には本当は『杉原千畝』の方が近い。でも売り方は『超高速!参勤交代』。 言い換えれば、「いい話ですよー、泣きますよー」って売り方してもいい所を「コメディーの体」で売ってきた。 まあ、どっちが正解か分かりませんけど、実はこの映画自体はどっちでもない。 がっつりハードな時代劇でもなく、コメディーに偏重することもない。 言わば、笑って泣ける“松竹大船調”。

あるいは、山中貞雄のような「ちょんまげを結った現代劇」とも言えます。 この映画、自己中心的な現代日本だからこそ、忘れられつつある“美徳”を提示しようとしたんだと思います。つまり別世界の物語ではなく、いま我々にとっての物語として描こうとした。だから「ちょんまげを結った現代劇」である意味がある。 この映画、そうしたバランスもよく出来ている。手堅くまとめられた映画だと思います。

ただ、意外性はないんだよ、この話。当然といや当然なんだけど。なんかこう、うーん、話に面白味がない。

(16.05.15 新宿ピカデリーにて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジェリー[*]

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