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[コメント] 愛がなんだ(2018/日)

映画の冗長さが恋愛模様に重なる。なるほど、これが今時なのか。理解はできないけど腑に落ちる。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今泉力哉監督作品を観るのは初めてなのですが、「大人の恋愛こじらせ物」を得意としているイメージを持っています。人と人の距離感の描き方が巧いですね。岸井ゆきのが発する好き好き大好きビームなんか最高じゃないっすか。 あ、私、『友だちのパパが好き』以来の岸井ゆきのファンです。あの安藤サクラが主演という出落ちだったクソツマラナイ朝ドラも岸井ゆきのが出てるから5ヶ月半も我慢して付き合ったんですよ(最後2週間で挫折した)。この映画で岸井ゆきのの親友・葉子は朝ドラで岸井ゆきのと姉妹でしたけどね。5ヶ月半の収穫。無駄話。

「愛でも恋でもなく、執着」

結論を言えば、この「執着」という言葉に集約される物語だと思うのです。 誰かが誰かに「執着」している。一歩間違えればストーカーにだってなりかねない。 でも実は、この「執着」は「決着」を回避した結果なのです。 告白してフラれて傷つく「決着」。そのリスクからの「逃げ」を自ら「執着」と言い訳しているような気がします。 これが現代的な恋愛模様なのでしょう。 「ためらいらいらいラブレター」の時代じゃないことは分かっていましたが、もはやツールの問題じゃないんですな。 この映画はちょっと冗長、つまり「無駄が多い」ように思うのですが、恋愛なんて本来そういうものなんですよね。そういった意味では“今時の”正しい恋愛映画なのかもしれません。

20歳代後半の主人公、その小学生時代(妄想)、江口のりこは35歳の役で、親友の母・筒井真理子は妾で、職場の先輩・片岡礼子はシングルマザー。 この映画に登場するのは、幅広い世代の女性達。

角田光代原作の映画化作品は『八日目の蝉』や『紙の月』が有名ですが、この本作も含めて「届かないものに手を伸ばす女性」の物語が描かれているような気がします。

(19.04.29 渋谷シネクイントにて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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