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[コメント] レ・ミゼラブル(2019/仏)

期待しすぎたのかな?宣伝文句の『シティ・オブ・ゴッド』より『僕らの七日間戦争』に見えた。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どうも。実は試写会で『僕らの七日間戦争』(1988年)を観て、ナマ宮沢りえスクリーンデビュー舞台挨拶を見ているペペロンチーノです。全然関係ない話。

本題。 予告編が非常に巧みで、私が勝手に『シティ・オブ・ゴッド』みたいな映画だと思い込んだのか、いやたしか『シティ・オブ・ゴッド』みたいだ的なことを宣伝で言ってた気がするんだが、いずれにせよ想起させる相手が悪かったように思うんです。

2002年のブラジル映画『シティ・オブ・ゴッド』。私は今は無きヴァージンシネマズ六本木ヒルズという映画館で鑑賞した(当時の日本はまだこうした単館系映画もヒットする土壌があり、実際それなりにヒットしたと思う)。 当時の私は「嫌いではないが好きになれない」「限りなく4点に近いけどコメント書いてて暗澹たる気持ちになってきたので3点」と感想を書いている。 (本来そうでない映画が、六本木お洒落ムービー扱いでクリーンヒットしたというのも鼻についた理由かもしれない)

だけどね、今思い返すと圧倒的に面白かった気がする。何なら観返したい。観返そうかな。 少なくとも、コメント書きながら暗澹たる気持ちになるくらい「気持ちを動かす」映画だった。

一方、この『レ・ミゼラブル』はどうか? 私の期待値が高すぎたせいなのか、「まだかな?まだかな?」とワクワクドキドキ「気持ちの動く」瞬間を待ちながら、待ったまま終わってしまった感がある。 何と言うか、最後の最後まで「肩透かし」感。

言い方を変えましょう。

まだ何の物語も始まっていない印象だったのです。 「序章」という感じでしょうか。 ちなみに『シティ・オブ・ゴッド』は冒頭に「終焉の始まり」というテロップが出たように記憶していますが、この映画も同じなのかもしれません。

雨傘でお馴染み(?)田舎町シェルブールから赴任してきた警官と一人の悪童の出会いの物語。ここから始まる長い長い確執の「序章」。 連ドラの初回特別拡大版みたいな感じ。 (そういやシェルブールもレミゼもミュージカルだ)

ヴィクトル・ユゴーが「レ・ミゼラブル」を書いたのが1862年。それから150年以上経てなお、この町は貧民窟のままだって話なのかもしれませんな。 そういう切り取り方をしちゃうと、政治性も含めて皮膚感覚で理解できない「その国固有の問題」になっちゃうんですよね。人種問題なら万人も理解できるのにね。

(20.03.01 新宿武蔵野館にて鑑賞)

(評価:★3)

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