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[コメント] 今夜、ロマンス劇場で(2018/日)

俺ならばっさーを選ぶけどな。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この話、宝塚でやるんですって。月組公演だったかな?ウチのヨメが見に行くとかで、その事前学習を一緒に鑑賞。

設定はゴリゴリ『カイロの紫のバラ』じゃないですか。ところが蓋を開けてみたら『シザーハンズ』でした。あるいは『また逢う日まで』。いや、尾崎紀世彦じゃなくて今井正の。もしくは『拝領妻始末』。加藤剛だけに。拝領妻じゃないけど。そして映画の印象はどことなく『ある日どこかで』。そういや、『今宵、フィッツジェラルド劇場で』って映画があったな。

私は、タランティーノの映画を観ると「映画は消耗品じゃない」ということを思うんです。タランティーノは、忘れ去られたような映画からちょいちょい引用してくるんですね。いやまあ、ただのヲタクなだけなんですけど。ただ、万人の記憶になくとも、少なくとも彼の心には何かが残っている。実はこの映画も同じなんですね。 廃棄処分になった映画(のヒロイン)に一人だけ魅了された者がいる。そんな映画を観て、グダグダ他の映画を思い出す俺がいる。ただ、この映画自体が、大衆に消費される消耗品みたいな映画ですけどね。そういった意味では、宝塚という別の場で形を変えて残るのは、作品として幸せなことだと思います。

この監督、『テルマエ・ロマエ』とか『翔んで埼玉』とか、意外と観てるんです。そのテレビ的な演出は我慢するとして(本当は我慢ならないけど)、大味娯楽大作には向いてる監督なんだと思うんです。細かいことはどーでもよくて、力技でなんとかしちゃうタイプ。

例えば衣装。綾瀬はるかに『ローマの休日』を重ねたかったのは分かります。お城を抜け出す王女とスクリーンを抜け出したドS女王様も重ねたんでしょうし。でも、この設定なら、彼女は常に長袖・手袋であるべきだと思うんです。わざわざノースリーブじゃねーよ。だいたい最初の大雨で化粧落ちなかったじゃねーか。ウォータープルーフかと思った。あと、欲を言うなら、死んで冷たくなった死体に初めて触れられる方が良かったと思うけどね。中途半端なハッピーエンドは「安い消耗品」になっちゃうと思いますが。まあいいや。

加藤剛の遺作なんだけど、「触れられなかった」ということは、この年齢までDTだったのかしらん?30歳まで童貞だと魔法使いになれるんだろ?加藤剛御年80歳だよ。魔王になってるぜ。

(評価:★3)

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