初見は劇場公開時。中野武蔵野館だったと思う。６年ぶりにビデオで再見。コメント書き直す。

最近では『狗神』などという駄作を撮ってしまったらしい原田眞人だが、本来ハワード・ホークスフリークのかなりの実力派。『おニャン子ザ・ムービー』（未登録）などで冷や飯を食っていた所を奥山和由に見出されて成功した数少ない（笑）存在でもある。

『ガンヘッド』なんて異色作もあるが、後に撮られる『バウンス　ｋｏＧＡＬＳ』『金融腐蝕列島・呪縛』と、現代日本の病んだ部分を切り取りつつも娯楽作品に仕上げる手腕は、現在彼の右に出る者はいないと断言しちゃおう。

皆のコメントにある通り中盤だれるし全体的に長い。しかし、ショットの切れ味は抜群。林や家屋の屋根を抜くつなぎショット（ファンは市川崑ショットと呼ぶ）ですら、ドラマや登場人物の感情の流れを表現すべく緩急がつけられている。

役者全員が凄いことも皆のコメントにある通りだが（誰も言ってくれないが片岡礼子の雰囲気もいい）、キャスティングが絶妙。特にミッキー・カーチス演じる新しいやくざ像は、監督の型破りぶりの端的な例であろう。

高い水準の作品を作る続けられる監督として期待してやまないが、しょーもない企画物でつぶれないでほしい。

余談

TOMOKICI様、チッチッチッ。役所広司は実は冒頭２分で出てきてるんだな。