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[コメント] 赤毛(1969/日)

時代の一瞬を切り取る岡本喜八の手腕はさすが。それにしても大根三船と岩下の新生姜。そして間に入る大女優乙羽信子が画面をかっさらう
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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私は常々『御法度』とか『幕末純情伝』とかじゃなく、真面目に新撰組を映画化して欲しいと思っている(古い映画ではあるのだろうが)。新撰組はほとんどが農民出身だった。侍に憧れる農民「菊千代」達だったのだ。そしてやっと鍬を捨て刀を腰に差せた時、悲しいかな刀の時代は終わるのだ。

この時代が生んだ悲劇を岡本喜八はいとも簡単に描いてみせる。旗本の成れの果て、元水呑百姓、皆、刀を手に突進するも銃弾に倒れる。時代に名を残さない無名の者達。

喜八監督自身は「『日本のいちばん長い日』に続く作品」と語る。「何故太平洋戦争は始まり、何故ああいう終わり方をしたのか。それは明治維新にまでさかのぼる」

正直、序盤は肩すかし。もっとハードな話だと思っていた。ところが、あらら岡本流コメディー調?それもやや空回り気味。彼の平均水準よりちょっと・・・。それに三船の年齢設定にも無理があるだろ。これは3点か?なーんて思っていたら、終盤にきてグーッと盛り上がり乙羽信子の独壇場で魂わしづかみ。

(於:平成14年1月26日ラピュタ阿佐ヶ谷)

(評価:★4)

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