あのラストの解釈なんてさあ、考えればいくらでも説明はつけられるんだけどさあ、映画（というか話）がつまらないと語る気もおきないのだなあ・・・という事を教えられた映画。

画面（美術）面は充分にバートン色だったと思うので＋１点。

この手のドラマの基本は異文化との遭遇にあるはず。 一番分かり易い例は『未知との遭遇』。そればかりではない『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だって『レオン』だって『天空の城ラピュタ』だってみんな同じ（以上2001年8月6日現在の当ＨＰ人気トップ３）、異文化との遭遇なのだ。

自分の知らない文化や世界（異なる世界観を持った人も含まれる）と出会い、戸惑い、悩み、時には否定し、時には理解し、そして止揚するのだ。ヘーゲル弁証法の根本概念、アウフヘーベンだ。

『ゴジラ』が現れた後、人々はどう変わった？『家族ゲーム』で家庭教師の松田優作が去った後、あの家族はどう変わった？マチルダと出会った後の『レオン』の変化に気づかない者はおるまい。

口では「この世界は？」と言いながらあっさり惑星に同化する主人公（もう名前を覚える気力もない）。意味もなくやる気マンマンであっさり足手まといになりあっさり助けられる少年。実は猿と人間の関係（起源）を知りつつも（おまけに部下を殺してまで情報を秘匿したのに）何の役にも立てない将軍（だったかな？）。そこには戸惑いも悩みも、そこから生まれる高みも何もない。自分があの立場だったらどうする？ただ自分が助かりたいだけなのに知らぬ間に英雄にされていくんだぞ（知らぬ間に英雄になってるという感じも出てなかったか）。止まるべきか去るべきか、普通悩むだろ。猿とキスしてめでたしめでたしか。オーラスの解釈なんかよりもあの惑星の決着の着け方が気に入らない。

ヘレナ・ボナム・カーターの役どころは何だ？『ゴジラ』の志村喬か？『ガメラ』の藤谷文子か？畑正則か？「キョロちゃんを撃たないで！」って女の子か？

書いてるうちに段々腹が立ってきた。更に−１点。

でも肌も露なグラマー美人という基本をおさえているので＋１点。何だ俺は!?