「『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だあ？デンマーク人にミュージカルの何が分かる。『ムーラン・ルージュ』だあ？オーストラリア人に何が出来る。俺達本場ブロードウェイの人間が、ミュージカルのなんたるかを見せてやるよ」という映画なのだろう。たぶん。

ボブ・フォッシーのオリジナルがどこまで影響しているのか知らないが、ワクワク楽しいミュージカル・・・ではなかった。決してつまらない訳ではない。多くの人が指摘している通り「マリオネット・ミュージカル」なんか秀逸だし。

面白いとかつまらないという感想より、歌と踊りで「お腹いっぱい」。なんかもう、コッテリ味のステーキばかり出された感じ。悪く言えば一本調子。いや、不味くはないんだよ。

「舞台で観たら面白かったろう」と私も思ったものだが、それは「映画化する意味があるのか？」というのとほぼ同義だ。だが冷静に考えると、本場ブロードウェイに行く時間も金もねえしな。そういった意味では映画化されてありがたかったってもんだ。ボブ・フォッシー御大の影がどこまで残っているかは知らんが。

個人的には、女優二人の関係をもっと密にして、くっついたり離れたり裏切ったり裏切られたり「バディ（相棒）ムービー」の感じが出ると、ラストの二人ダンスが活きたと思うがね。「こうしてピンクレディーは誕生した！」みたいな。ババババーンと撃ち抜いた文字が「ＵＦＯ」とか。何言ってるか分かりません、自分でも。

おっかしいな、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズは３年で消える役者だと思ってたのに。