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[コメント] キングコング対ゴジラ(1962/日)

キングコングといいジェームズ・ボンドといい,どうやら浜美枝は毛むくじゃらのオスから好かれる運命にあるらしい。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今やあまり姿を見かけないが,物心ついた時から浜美枝の印象は,口の大きい陽気なおばさん(失礼!)だった。しかし昔の映画を観るにつけ,意外にも?結構キュートな美人だったことがよくわかる。『007は二度死ぬ』では,日本人唯一の(ちゃんとした)ボンドガールとして(敵を欺くためとはいえ)ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)と祝言まであげるし,この作品では,本家さながらにキングコングに見初められて?鷲掴みにされてしまうヒロインを演じている。

ところで,肝心の内容の方は,東宝30周年記念の作品として制作されたわりにはさっぱりという感じだったが,喜劇として観れば見どころは満載である(というか,コメディとして作っているとしか思えない)。

特に,ゴジラとキングコングの戦いは,どちらもかなり抜けていてギャグとして大いに笑える。また,ゴジラに対峙する人間側もうまく描かれていない上に,登場人物にもやたらと三枚目が多いし,終始一貫してお笑いムードに包まれている。

さらに,キングコングのいる南海の孤島の原住民に至っては(時代が時代だから仕方ないが)日本人が黒塗りをして演じているのがバレバレで,安物のテレビのバラエティ番組のようだ(さすがに今どき,こういう描き方をしたら問題になるだろうし)。

両雄対決の結末は,この手の人気者同士の対決にありがちな「決着つかず,引き分け」だったが,この対決を映画化しただけでも大いに意義があると思うので,評価したい。(なお,どうでもいいけど,他人が創造したシャーロック・ホームズを自分の小説に勝手に登場させて,自ら生み出したアルセーヌ・ルパンと対決させたあげく,いけしゃあしゃあとルパンを勝たしてしまうモーリス・ルブランが大嫌いな私には,この映画のスタッフはずいぶん潔く見えた。)

(評価:★3)

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