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[コメント] マッチ工場の少女(1990/フィンランド)

これは悲劇なのか,喜劇なのか? 少なくともこの作品を観ると,「頑張れば必ず報われる」「最後に愛は勝つ」などという言葉が,いかに偽善に満ちているか良くわかる。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ひたすら静かな,さめた作品。この映画自体が,工場で次から次へと流れていくマッチを黙々と処理する少女のように淡々としている。

セリフも音楽も少ない静かな作品だと思っていたが,AKINDOさんのコメントを見て,主人公の少女のセリフが52しかないと知って驚いた。

それにしても,どう見ても少女には見えない”少女”をあまりにも淡々と描いている。ラストで殺鼠剤を盛るに至るまでの彼女の心情にしても,燃え上がるように…ではなく,あくまでも静かに,静かに描かれている。後半で妊娠して,あそこまで何の夢も希望もなくなってしまった少女があのような行為に走るのはわからないでもないし,どう見ても悲劇のはずだが,その描き方ゆえに悲劇なのか喜劇なのかわからなくなる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ナッシュ13[*] 24[*] けにろん[*] 蒼井ゆう21

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