私にも姉がいるが、仲は悪くないものの、こんな風には良くもないので、ちょっとキモチワルイとか思った。イイ年こいて一緒に住んでるのも、自分としてはできなくはないが、まぁやらない。やりたくもない。 だけど、キモチワルサは「兄弟でべったり」の部分であって、ヲタクな部分じゃない。

ヲタクな部分は、自分の内にもある。もう一つの有名なヲタク映画『電車男』の時には、「ヲタク系ネットワーカー」という、それはそれは身に覚えのある存在ではあったけど、どうも作られた感があった。多分、それは「恋愛成就」＝「ヲタクからの卒業」な構図であったように思う(ごめんなさい。ホントは『電車男』はTVドラマをつまみ食い程度でちゃんと見てません)。もうすこし穿った見方をすれば、「ヲタク」=「異端児」＝「子供」な構図で、そこから「出て行く」というのが『電車男』だったのじゃなかろうかと思う。ヲタクを肯定しているように見えるけど、実のところ、作る側は(原作はともかく)ヲタク界(?)の外から見てる気がする。

ところが、この『間宮兄弟』は違う。出て行くどころか、どちらかというと肯定してる。兄弟して首までどっぷり浸かり、大きな波がくると、一旦は出て行くように見せるが、また帰ってきてしまう。

そういう生き方を非難はしないけど、恋愛するには難しかろう、と思う。恋愛ってエゴまるだしの面もあるから、男でも女でも、相手にとって自分が一番になりたいし、それがたとえ相手の兄弟であってもそこは譲れない(異論もあろうかと思いますが、とりあえず言い切り)。

彼らのような生き方もちょっとうらやましくも思うけど、私は好きな人と一緒にいたいので、こんな風にはしないだろうなぁ...

で、当然の帰結として.... 夫婦でこれだったら、いいのか? まぁ、恋愛の側面はなくなってしまうから(そこを入れちゃうと違う話になってしまう)どうかと思うけど、それはそれでかなりいいんじゃないか、と思う。ただし、映画にはできないよね。話としてはつまらないから。

佐々木蔵之介も塚地武雅も堂々としてるので、ヲタクの悪い面があまり出てこない。見た目が評価をきめてしまうのかなぁとか思った。全体的にへたくその出てこない映画で、演技にハラハラすることが少なかったのは監督/演出の力? (中島みゆきは下手だが、存在感というかまるで違和感がないのがすごい)、