個人的に青春映画のBEST3に推す(他の２作は『転校生』と『時計じかけのオレンジ』)。10代のやり場のない欲望が描かれている。印象的な場面がある。慰問に訪れて(主人公は少年院に入っている）、一緒にソフトボ−ルをした女性達を、帰ったあとに空想の中で犯してオナニーに耽る場面。もう一つは主人公の夢のシーン。主人公のサード（野球部で三塁手をしていたのでそう呼ばれている）が、長打を打ってホームインしようとすると、ホームベースがない。サードはいつまでもダイヤモンドを回り続けるしかない。後者では、脚本の寺山修司は何を象徴したのだろう。だが、とくに答えを出す必要はないと思う。はっきり言葉に表さなくても、見た一人一人が何かを感じればいいのだ。