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[コメント] ピアニスト(2001/仏=オーストリア)

普通の幸せに背を向け閉塞した状況を甘んじて生きる女性を演じきったユペールはほんとうに素晴らしい。でもマジメルはねえ
ハム

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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彼があまりに腰抜けかつノーマルなので拍子抜けした。だって『年下のひと』とか『王は踊る』に出てたブノワ・マジメルですよ。おかしいやん、ノーマルだなんて全く予想してないですよ。あんな美男子が能面年増女に惚れるなんて、彼女の変態性を見抜いていてそれも込みで好きになったんだとしか考えられません(おくさんほんとはこういうのすきなんでしょう、ホラホラ)。ノーマルでハンサムな男なら普通は同じ年くらいの美人で性格の良い女性に惚れるでしょう。

しかしそれにしても、ラストは秀逸でした。あのナイフは当然、ワルターを刺すために用意したもの(自傷行為ならばお家ですればいいからね)。でも、あんなに酷いことをした彼が、そんな気配は全く感じさせず、友人と談笑していて「先生がんばってください」なんて言われて、彼女は愕然とするわけです。「なんてわたしとは違っているのかしら!」そして醜い自分に一撃を加えるときの表情は、言葉で表現できないくらい醜悪でした。

(評価:★4)

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