哀川翔 出演100回目の記念映画に、鈴木京香 、渡部篤郎、 大杉漣、 柄本明という俳優陣をはいして、この内容というセンスがまず素晴らしい。

冒頭、安っぽすぎる地球外生命体の発想ややる気のなさすぎる防衛庁が出てきた時は、これは日本版『マーズ・アタック！』に違いないと思ったが、後半に行くにしたがい、あちらほど毒気はなく、むしろ正統派なヒーローものとしての要素が強い気がしてきた。

ミシンで手作りの衣装や、草々のセリフ（「ジュース買いにいっちゃおうっかなー」とか「やべえ、浅野さんに見せてえ」）に代表されるような全編漂うB級の香り。しかし、ゼブラーマン主題歌には（マジンガーZの）水木一郎を起用というわけのわからない部分でのこだわり。「ちゃちゃっと地球救っちゃってよ」というセリフに出てくる既存のヒーローもののパロディ的要素。そして麻生久美子 らが変なところで友情出演という意味不明なサービス精神。

本格俳優陣で作り上げる「意外とまじめなメッセージ性」と上記のばかばかしさが、なんともいえないバランスで成り立っている。

これが気に入るかどうかがこの映画への評価の分かれ道だと思う。

欲を言えば、「格好いい時のゼブラーマン」とそうでない時の「B級ゼブラーマン」の見せ方の区別をもう少しメリハリつけてほしかった。最後に出てくるゼブラーマンも、決して格好よくないので、今一つ気分がのれず。そこんとこ、白黒つけて欲しかった。