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[コメント] 20世紀少年 第2章 最後の希望(2008/日)

うわべだけのつじつまあわせや小ネタを描かれるより、荒唐無稽のようでも私が見たいのは…地球の平和を守る者達の熱い志です。
のぶれば

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 原作で言えば10巻分ほどの内容を一本の映画にまとめたことになるんだから、はしょらないといけない部分は多々あったのはわかる。その辺、日時の前後やエピソードをくっつけての展開にしたのも無理からぬところと思う。加えて原作にあったローマ法王の暗殺なども映画化するネタとしては、微妙な部分もあるだろう。

 しかし、教室のレーザー遊びや、ホテルでゲーム遊び、オッチョや角田の脱出の際の不用意な小ネタ、原作のコマに合わせるがゆえのつじつまあわせ、逆に原作の絵を超えるような迫力を出そうとか、伏線にならない部分での逸脱が気になって仕方ない。

 別に小ネタや逸脱があること自体は良い。しかし「20世紀少年」の持つテーマ、メッセージをおろそかにして、それをするのはどうか?その点で、映画第2章は「20世紀少年」原作ファン何万何十万の思いを踏みにじったことにはならなかったか?原作のシーンに必要以上に忠実な映像よりも、原作に込められた熱い思いを観たかった。

 本作品が「地球を救う熱い思い」ではなく、「原作の可能な限り再現」だったように思われて仕方ない。それはまるで、ともだちにも認められ、客受けもするラブコメを全身全霊で描いていた作中の漫画家そっくりだ。

 何もかも原作に忠実にするのが無理なのはわかってはいた。だからストーリーのずれも予想範囲内。だからこそ、「20世紀少年」の一ファンの感想として率直に言わせていただきます。「荒唐無稽のようでも私が観たいのは…地球の平和を守る者達の熱い志です。」

ユキジの思いがダブるので候。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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