監督の次作『ガチ☆ボーイ』を見たので、デビュー作のこちらも見てみた。相変わらず、難病モノ。話としては、こちらは、やや直球過ぎる。それでも、安易な表現に終わらず、映像はきちんと映画してるし、ストリートシンガーの役としての歌も上手い、なんだかんだ、凄く「まとも」な作品だ。

気になったのは、レコーディングシーンはやや過剰気味。YUIのプロモみたいになってしまっている。曲の存在が人々の心に伝わっていくカットもあるんだし、あれはもう、サワリだけで十分。あと、友達の通山愛里が主役並に可愛いのも、ちょっと目移りしてしまう。もちっと地味目のが見やすい。

その点は、ちょこちょこ過度な部分もあるだろうか。スクーターにサーフィンを乗せてる高校生なんて、カッコ良すぎるもんな。でも、映像的にはこれで正解か。ちょっと性質は異なるけど、難病モノの『つぐみ』なんて、彼氏役が乗ってるバイクがスーパーカブでぶざまだったもん。ありゃ、無いよ。

まだ20代の監督とは思えない安定感と上手さに戸惑う。今後が楽しみだ。