[コメント] クワイエットルームにようこそ(2007/日)
クドカンの歯=グロテスクな現実、妻夫木の繋がり眉毛=コッケイな演出、内田の不自然な美形=基本的に美形が売り。僕はこんな風に読み取った。
逆にこういうのだと、どういうイメージだろうか。きれいな歯のクドカン、メイク無しの妻夫木。この二人、結構カッコいいけど、案外、無個性なんだ。内田の美形も、人工っぽくて微妙に没個性。
作品における無個性は、クワイエットルームが単なる「場」に過ぎないというところだろう。主人公は、たまたまこの場所に来てしまったけど、話の本筋は単なる男女の恋愛話だから、たいして意味ないんだよね。それだけだと物足りないから、「クドカンの歯並び」なグロ要素、堕胎や自殺、特殊メイクの蕁麻疹なんてのを織り交ぜて、ショックを与えつつ、にぎやかしで、「妻夫木の眉毛」的なコッケイライン。りょうの看護士が二つを合わせた象徴だけど、むしろ、無意味さをよく表してもいる。なんであんな性格なのか、理由はないからね。とってつけたようなキャラクター。そんなグロとコッケイに翻弄されつつも、最後には一応、美形で落ち着くから安心しちゃうんだよね。
僕は、この作品のグロとコッケイがつまらなかったから、延々に退屈だった。だって、病棟の人達、みんな変だけど、なんだかんだ、主人公の心の変化には無関係だもんね。
上手くまとめてはいるけど本質は無個性で、むしろ、オマケ的な部分を楽しむ作品ながら、そこはアクの強さで好みが分かれる。
ところで、芝居の演出家の映画は、劇団として築き上げた個性をそのまま映画に持ち込んじゃうから、ファンじゃないと、イマイチ、置いてけぼりをくらう。クドカンの歯、あれ、普通ならNGレベルだもん。
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