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[コメント] ガチ☆ボーイ(2007/日)

まさか、学生プロレスの映画で泣くとは思わなかった。マスクマン映画の覆面の下の素顔は、本当に真面目な青年面をしていた。そして、主役の佐藤隆太の笑顔が、何より良い。080327
しど

私は、ここの林田乃丞さんのあらすじのみを予備知識にして見に行ったので、主人公に隠された秘密を知って心底驚いてしまった。それが良かったので、レビューにもそのことには触れない。

学生プロレスは面白い。一度見れば、そのパロディ加減に大笑いするであろう。もともとプロレス自体が、限りなくドラマに近いエンターテイメントなのに、さらにそこにパロディを詰め込んでいるのが学生プロレスである。そんな楽しさは、序盤からきちんと描かれていて、「ヤラセ」と「ガチ」との関係が、物語にも上手く絡んでいて非常に面白い。主人公の秘密が明かされることで、一気に暗いトーンへ、そして感動路線に入っていくのだが、それでも、最後の試合にきちんと学生プロレスらしいギャグを絡めているのが、何より秀逸だと思う。だからこそ、プロレスに体を張っている彼らの姿に感動するのだ。

主人公と家族との関係、大学生の仲間感覚、そして主人公の状態などが、最後には全て嘘臭さと真面目さとが絡み合った学生プロレスの面白さへと結集し、生きることの素晴らしさを感じさせる。まことに、青春映画として理想的な作品だ。

面白い要素の詰まったストーリーだから、安易にやろうと思えばいくらでも手を抜けるはずだけど、その上さらにきっちりと演出がなされ、出演者達の演技も十分に、全てがガチで真面目な姿勢が伝わる。

ふざけた雰囲気の覆面に覆われているが、その下には、思いがけないほどに素敵な物語が笑顔でこちらをみつめていた。笑顔の裏に隠された秘密を知ればなおさら……。

(評価:★5)

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