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[コメント] 人斬り(1969/日)

スーパーに売ってるブランドモノみたいな映画だな。安いんだか豪華なんだか・・・040306
しど

出演者を見ると、勝新&石原裕次郎と豪華である。しかし、勝プロが制作ということで、いつもの「勝節」が強調されたのだろうか。妙な力点の置かれ方でストーリーが展開していくので、どうも私にはノリが合わない(根本敬のいう勝新大陸のリズムだろう)。ベテラン歌手が歌い慣れた持ち歌を、当初とは違うコブシ回しやタイミングで歌うような違和感がつきまとうのだ。映像の雰囲気も映画というより、テレビ時代劇や新東宝の怪奇シリーズに近い安さを醸し出している。勝新が刀で樹木を切断したり、血がドバドバ出ちゃうのもそんな感じ。まあ、勝プロだけじゃなく、フジテレビとの共同制作だし、プロデューサーもテレビの人みたいなので、そっち寄りになるのも仕方無いのだろうか。

レビューを見ると、三島由紀夫目当て(っぽい)方が多いかと思われるが、私もそんな一人。「三島の演技には鬼気迫るモノがあった」なんて評が三島関係の本に出ていたが、 『からっ風野郎』を見た後では、そんな評も眉唾。でもまあ、エスカレーターにひっくり返って死ぬよりは、この作品での三島のラストシーンは随分ましで迫力はあった。時間としてはちょっとだけど。

座頭市シリーズを見ていても思うことだが、テレビドラマの時間枠に凝縮した方が、勝新の味も凝縮されて見やすいのではないだろうか。もっとも、テレビにおいても、勝新味が濃縮されたドラマ「警視K」は、不思議な霧に包まれたような内容で、1クールで打ち切られてしまっているのだが・・・(笑)。

(評価:★2)

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