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[コメント] マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985/スウェーデン)

北欧独特のながく柔らかい光線。

北欧独特のながく柔らかい光線。凍てついた冬の寒気。静かに萌えている緑。「ロケットで打ち上げられたライカ犬よりはマシだ」と呟きながら、日常を遣り過ごそうとする少年。それを見守るようなどこか滑稽で優しいまわりの大人たち。少年を取り巻くセカイを、べたつかない距離をたもちながら映し出していると思う。

それに、思春期の子供等がこれまたみんな独特に可愛らしい。イングマル役の少年は素人だったそうだが、そうは見えない。男装の子は追憶の彼方に仄見えそうな美しい横顔。こんな映画は好きだ。

この映画に限らないけれど、12歳くらいの自意識には虚実のはざまに存在してるような微妙さがあるように思える。それが一年、あるいは半年でも違えば、大人になり始めていたりするのだろう。だからこそ、時に演技の巧拙によらない生命をみせたりするのかもしれない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (11 人)モノリス砥石[*] irodori けにろん[*] 鵜 白 舞[*] ことは[*] Pino☆[*] くたー[*] tat ルッコラ ミッチェル[*] 埴猪口[*]

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