ミュージカルノリは思った通りわるくなかったけれど、思った通りレベルでもあり…。予告編に見るべきモノがすべて詰まってた。

悪役にフセインをもってくるあたりは安易ではあるまいか。アメリカ人が思い描く（だろう）短絡的な世界情勢感覚に甘えてはないだろうか。どうにかならなかったかな。世界の実名の指導者達が世界を破滅させるような血で血を洗う戦争をノリにノって繰り広げるようなら、もっと突き抜けたものを覚えることが出来たかも知れない。この映画の存在自体は何ら暴力的なものではない（＊）。ラストはあれは『ドラゴンボール』？ クソ白人の住まう田舎街サウスパーク永遠なれ！って？ 結局ガキンチョ向けの無害なアニメ、かな。

＊）蛇足を言えば、本当の暴力（violence）は権威や権力（force）に反抗するものを言うのだと思う。抑圧的な権威や権力を一瞬にせよ内部から破砕して無にしてしまうような暴力（的表現）。そんな一瞬に立ち会った時にこそ、腹の底から解放されて笑えると思うのだけど。それともアメリカ的な権威や権力の内部にいる人（つまりアメリカ人）にはこの映画もそんなカタルシスを得られる映画なのだろうか？ わかり易い暴力はＯＫでも汚い言葉はＮＧになるアメリカならでは、なのか？