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[コメント] アニー・ホール(1977/米)

繰り返し繰り返し繰り返し見てもあきない、スルメのような映画。人生の中で1番大切な作品です。
けいすけ

高校生の頃に映画館で見てやみつきになった。いや、夜中のテレビ放映をビデオに録画して、繰り返し見てから、映画館で見たのかもしれない。記憶は定かではないが、夜中に眠れない時、紅茶をのみながら見た。ピザトーストを作って食べながら見た。テレビ放映は日本語吹き替えだったので、台詞もほとんど暗記してしまった。後にこのビデオは紛失してしまい、字幕スーパー版のビデオを買ってこれも繰り返し見ている。そうすると、吹き替えの方がよっぽどニュアンスを伝えていて、字幕がいかに舌ったらずかわかる。

この映画に関しては、どこが良いとかいうのではない。とにかく何度も何度も見て、安心できる水戸黄門のような存在だ。ついこの間も、映画好きな彼女とこの映画をビデオ見て、少しして、また見ようかといったら、あきれられた。

別にウッディ・アレン映画が全て好きなのではない。他の作品は1回みれば充分だ。街の景色、シャツの色から、壁の色、ベストの柄、話の運び、くだらないジョーク、昔は意味がわからなかった事が今は分かったりする(例えば当時私は童貞で、セックスシーンの意味など分かりはしなかった)、始まりのひとこと、ラスト近くの回想、シーンごとの音楽、最後の無感動な青い字幕まで、全てを思い出せる。昔のビデオには直後にフォードの車のコマ−シャルが入っていて、その音楽と映像まで記憶している。こんなに気持にしてくれる映画は、本当にこの映画だけなのだ。たぶんこれを見ていた多感な時期の気持が、繰り返し見ることによって増幅するのだろう。

どうにも説明がつかないが、こんな映画は人生の中で1本だけあれば良い。私はそれにめぐり合えて幸せであろう。

(評価:★5)

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