このような基地外じみた最高の作品を嬉々として撮る悪趣味監督が『ロード・オブ・ザ・リング』でアカデミー賞にノミネートされるようになるとは……世の中捨てたもんじゃないということでしょうか。

それにしてもこの作品からあふれ出るド迫力パワー、強烈な死体ギャグ、そして大量の血ノリ、飛び散るオブジェと化した体のパーツ……初見時はただただ衝撃で、１日ほど口アングリで過ごしました。まさに狂喜すべき狂気。この前にホラーコメディとしては『死霊のはらわた２』という傑作を観ており、サム・ライミの正統的な後継者が現れたと、当時は喜んだものでした。

たまに再見すると、主人公のマザコン男を演じたティモシー・バルムのいつでも切羽詰まったあの演技が、やはり絶賛モノだと思う。この演技がなかったら笑える作品には昇華できてなかったでしょう。で、ゾンビたちが食卓を囲むシーンは何度観ても笑える！　あと、ゾンビ赤ちゃんを公園に連れて行って追いかけっこする一人演技シーンも！！　

ちょっと前まではビデオも廃盤で、よもやDVD化なんて夢のまた夢……などと思っていたら、『ロード・オブ・ザ・リング』大ヒットのおかげで、DVDでいつでも手に入れられるなんて、なんて日本は素敵な国なんでしょう。