[コメント] カサノバ(1976/伊)
カサノバへの愛着や優しさを感じさせない突き放した作りはらしくないが、とにかく凝った美術&衣装、それが堪能出来る派手な宴、絶倫対決など印象的なシーンは多い。
温かい眼差しがあってこその哀愁がフェリーニらしさなのに、これは突き放した末のもので、いつものとは種類が違う。単なる虚しさに近いものがある。だから最後のダンスもグッと来ないんだな。
それでも、随所でフェリーニにしか成し得ないものを見られるので一応はオッケーだ。上に挙げたやけっぱちのような豪華宴や、たくさんのローソクの灯を消すシーン、霧中から出てくる馬車、サーカスのテントのような衣装の仕立て(?)…などなどいっぱいだ。
そこにフェリーニ流の哀愁はなかったが、カサノバの腰使いの如き勢いを感じる作品ではありました。
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