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[コメント] 耳をすませば(1995/日)

くそっ。オレも思春期に、もーちょいイロイロがんばっときゃ良かったゼ。
あまでうす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 わたし、弱いんですよ。歌ったり踊ったりするシーン。だから、たまらなく 好きです。雫が歌うところ。聖司とじいさんたちの伴奏に乗せて歌うところ。 特にあのじいさん連中、最高。途中で鮮やかに楽器を変えてしまう超絶技巧に 震えがきました。(いや、アニメだからホントにやってるワケじゃないんだろ ーけどさ)

 楽器が弾ける人に、わたしは限りない羨望を覚えてしまいます。さりげなくて みんなから愛される表現方法を持っているとゆうコトだから。うらやましすぎて 憎いくらいです。ヴァイオリンを苦もなく弾きこなす聖司くんにも、ちょいと 嫉妬を感じたりしました。(「このガキ、うらやましすぎるっ!!」)

 個人的なことをゆーと、私は中学生の頃から小説を書き始め、もう10年くらい になります。設定とか登場人物とか考え始めると、とっても楽しくて、 でも、いざ書き始めて息詰まると死ぬほど苦しくて...好きなテーマを好きなように 書くのは楽で面白いけど、「人を感動させるものを書こう」とか「自分の正直な 気持ちを表現しよう」とか欲を出すと、途端に筆が進まなくなってしまうとか... ほんと、雫の気持ちとシンクロしてしまうんです。

 だから、雫が聖司を見て焦る気持ちが痛いほどわかる。聖司は卑怯だよ。 芸術家やもん。こう、自分の中にあるもやっとしたモノ(流行の言葉でいうと 感性ですか?)をストレートに表現してしまう。あんま、悩まんし(いや、きっと ホントは悩んだりしたんやろけど、悩んでないように見えるんだよ)、悟った ようなカンジ漂わせてるし、むっちゃいいカンジに見える。

 小説家や詩人も芸術家だってよくいわれるけど、半分はウソ。音楽家や絵描き、 工芸職人と違って、小説家は言葉を使う分、いろいろ頭で考えてしまうんよ。 だから、つまらんことで悩むし、自分の気持ちをストレートに表現できない。 だいたい、もやもやしてまとまらない感情を、はっきりとした文章にしてしまおう とする芸術なんて、ちょいとムリじゃないかね、えっ!? 「書きたいことはいっぱいある」 でも「文章がまとまらない」っていう雫のセリフ。よくある小説家のグチですね。

 でもね、やっぱ物書きはやめられないんよ。雫もがんばれ〜! 聖司に負けん な〜!! 中学3年生であれだけの文章が紡ぎ出せるんなら、大したモンや!  ペンを取ろう。原稿用紙に向かおう。いつの日か必ず、ストレートな気持ちを 読者に伝えることができるのを信じて。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)Santa Monica makoto7774[*] ナッシュ13[*] 秦野さくら[*] トシ[*] AONI[*] kazya-f[*] ジャイアント白田[*]

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