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[コメント] 季節の中で(1999/米=ベトナム)

泣きポイントを箇条書きしてみました。
ネーサン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







★病を苦に引きこもってしまった詩人から、言葉をもう一度引き出すことに成功した娘さんの頑張り。 (うっすら汗ばんだ髪が、肌に張り付く感じが、イイ!)

★ 止まない雨の中、ビニル袋で作った雨合羽を着て、 失くした木箱を探しながら路地をさ迷い歩くストリートチルドレンの、拗ねた顔。

★ シクロ(自転車タクシー)運転手が想いを寄せる娼婦との、じれったい関係。

★ ベトナム戦争のどさくさにまぎれて捨ててしまった女への後悔を抱きつつ、自分を恨んでいるであろう娘を探しながら飲まずにはいられないハーヴェイ・カイテルおやじの、にごった瞳。

★ 詩人の遺志によって水上市場に流される、一面の白い蓮の花、花、花。 (水上市場の女たちの歌う民謡が胸に迫る)

★ 雨の中、ストリートチルドレンたちが裸足でするサッカー。

★ 造花の出現によって売れなくなってしまった蓮の花売りの娘。 途方にくれる娘の前に現れるシクロ運転手。「一つおくれよ。」

どれも、どれも、いといと、あはれ。なんっすよ。

それぞれの登場人物は、すれ違いながら、それぞれの物語をつむいでいるのですが、 それを俯瞰できる位置にいる私にとって、 「失ってしまったものを取り戻そうとする」ひたむきさと、 「おそらくは手に入らないものを手に入れようとする」ひたむきさ、 それらが絶望の一歩手前で美しく輝いているのが見えて、 それでもう、泣けました。 映像の美しさも申し分なし。 この映画、お勧めです。  ※あんまり誉めすぎても気持ち悪いので一言だけけなしておくと、 この映画の「色」は、好みが分かれるところだと思います。 わざとらしく彩色した感じというか。 いや、嫌いじゃないですけど。ちょっと鼻につく人はつくところかも。

(評価:★5)

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