コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 僕は天使ぢゃないよ(1974/日)

神田川を流れていく、オフィーリア。
ネーサン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







寺山修二風味の小梅ちゃん。 神田川を流れていく、オフィーリア。

全編に「やるせなさ」が漂う。 やるせなさにも各種あろうかと思うが、 この映画の場合、

1.父への憧れと同時に反抗心を持っているが、父が病死してしまう。行き場のないやるせなさ。

2.古い木造の安アパートで同棲する二人の、お互いに相手に依存してしまいがちな状況のやるせなさ。

3.酒に依存してしまうオトコのやるせなさ。

4.同棲相手がいながらも、風俗に通ってしまうオトコのやるせなさ。

5.風俗嬢にはいえる本音を、彼女には言えない/言わないオトコのやるせなさ。

6.ダメダメなオトコをつい許してしまうオンナのやるせなさ。

7.チンドン屋さんの奏でるメロディの、調子っぱずれなやるせなさ。

…と、かように、やるせないことこの上ないのである。

その反面? 大瀧詠一の「貧乏」に合わせて、事務員が踊るシーンなど、 音楽面はかなりかっこいいと思った。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。