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[コメント] スパイダーマン2(2004/米)

「貧乏でも誇り高く、後悔しない生き方をしろ」とライミは言う。「良きアメリカ人」であるために。一種の「教養映画」と言えるのかも。市井の人々を美しく讚えるその監督の心意気に泣く。
ボイス母

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アメリカ人の何処にビックリさせられるかというと、時々ものすごい崇高な自己犠牲をやってのける人が出てくるところである。 事件や事故。戦争や災害。その瞬間に立ちあったときに、自分の身を挺して何かを守ろうとする人が居る。

日本人では、いざ災害になると女子供を押しのけて我先に自分だけ助かろうとする中年のおっさんの姿が時々見受けられて、「醜い!あまりにも醜い!!」と憤慨することが多い。 「やはり、心の底に信仰を持っている、持ってないの差かしら?」と常々不思議に思っていたが、その辺りの精神性をライミ監督が解き明かしてくれた。

自分の人生に誇りを持つこと。たとえ貧乏でも常に心正しく、勇気を持って一生懸命に生きること。 そうすれば、死ぬ時にも後悔の気持ちは生まれないと監督は言う。

心、正しく有るために。人間はどう生きるのか? そんな時代遅れとも思えるような大命題を正面切ってはっきりと口にしている時点で「ヤラレタ!」と思った。

ソレは火事場の中国系の幼女にすら顕れる。 業火の奈落に落ちかけたピーターを助けようとその幼い、小さな手を伸ばす。 傷ついたピーターを助けようとする電車の中のニューヨーク市民たち。 「オレを倒してから行け」 思わずの号泣ポイント。

最初はジャーク(「キモイ奴」みたいな意味か?)呼ばわりだった彼女が、最後は恋人をこう呼ぶ「行ってよタイガー」 思わず鼻血ブー。 タイガー。男らしい、男の中の男を愛情を持って呼ぶ言い方。 美しい、気高い生き物。 こんな所にまで号泣ポイントが隠れていた。

(評価:★4)

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