[コメント] 白鯨(1956/米)
神に挑戦する近代人代表=エイハブ船長!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最近のおちょぼ口系ネイチャリストの常套句=自然を大切に。とか、クジラは優しい賢い動物ですから大事にいたわってむやみに捕獲したりしないようにしましょう。とか、そんなモノを全部ぶっ飛ばしてみせる、この脚本の骨太な知性にひれ伏した。
近代化は自然との闘いの果てであった。 その事実を厳然として思い出させる19世紀の物語である。
「人間が地球の支配者である」と宣言するために(と、しかワシには思えない)神(=白鯨)に挑み続ける狂気の復讐鬼=エイハブ船長!
まさに、産業革命以降、近代において人間がやって来たことをそのままエッセンスにして鯨油で固めたようなキャラクターである。
海は様々な表情を見せる。 その神秘の中にただ漂い、小さな櫂で小舟をこぎ続け、その事でしか運命にあらがう道はない人間という取るに足らない存在。
とにかく、画面もスゴイが脚本の素晴らしさに舌を巻いた。 きょうび、これだけ深淵で、詩にして哲学とも言えるような脚本にはお目にかかれない。 脚本の一言一句から目が離せなかった。
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