[コメント] 肉弾(1968/日)
戦中派の恨み節
ワシの叔父と同じ立場の主人公。 ワシの叔父も海岸にタコツボ掘って爆弾抱えて本土決戦の日を待っていたらしいです(海軍だけど) 「一人一殺」「肉弾となって戦車を爆破するため」だけにその身を皇国に捧げ、青春を削り、なにもかもガマンして誇りを持って死ぬことだけを目標に日々を暮らしてきた人でした。
なのに、あの終戦。 いささか自暴自棄になったからと言って、誰が彼を責められましょうか。
しかし、叔父はそんな(ワシらから見れば悲惨極まりない)時代背景とは言え、予科練時代が青春だったセイか、未だに予科練時代の友だちとは仲がいいです。 しかも、予科練時代の写真とかを大切に持っていて、懐かしそうに見返したりもします。
人権なんて微塵もなくて、踏みにじられて死ぬことだけを目標に青年時代を送った「元少年航空兵」は今や、「スピード狂の爺さん」です。 この映画の主人公の「あいつ」は、叔父の「あるべきだったもう一つの姿」のような気もします。
戦中派の人にとっては、大きくうなずく場面も多いでしょう、多分。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。