[コメント] 鉄塔武蔵野線(1997/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
父ちゃんは実は競馬狂いである。そのせいで、母ちゃんは愛想尽かして長崎に逃げ帰る。
父ちゃんも本来なら一番人生に於いて大切だったハズの息子との実生活なんて、ドーでも良くなっちゃって、鉄塔の下に立っては「競馬の神様〜、お告げをくださいぃ〜〜〜!!」と競馬新聞片手に「パワー」を待っていたという話しだ、コレって。
で、主人公のミハル(見晴)君は父ちゃん語るトコロの「大本の鉄塔の建っている場所には神様が集まっていて、次にどの馬を勝たせるか相談している」なんてヨタ噺を本気にして小学六年生まで信じていたワケで・・・
父ちゃんは競馬に狂う余り、缶コーヒー中毒になって(?)死ぬ。 でも、主人公はその父ちゃんのかけた「呪い」が解けなくて、翌年もリターンマッチする。
しかし、まんまと潜り込んだ軽トラ荷台のカゴの中。 何故かミハル君は裸で、まるで夢の中で微笑んで死んでいた二歳年下のアキラ君の様な表情で(多分)眠っている。
この濃厚な死の匂いはナンダ?
ソレは同時に、ミハルの家にも伺える。 すっぱりと断ち切られた様な中途半端な、「作りかけ?」にも見えるミハルの家。 現実生活での「憧れ」でもあったアキラ君のしっとりと豊かな風情の家も、たった一年後には廃墟となっている。
そして、現実生活での残酷で無慈悲な男達。 なにか、同性に恨みでもあるのだろうか?
少年が居て、一夏の「やみくも」な冒険がある。 「自分が知らないモノを見てみたい」「自分を変えたい」そんな衝動だけの映画で良かったハズではないのだろうか?
とりあえず、ヒトの親になる時はもっと自覚を持って。 コレではミハル少年も成人後は「ギャンブル道まっしぐら」かもしんない。
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