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[コメント] LOVE SONG(2001/日)

真っ正直に青臭いひと夏のエピソード
FRAGILE

 舞台は1987年、夏休みの最後の5日間を2つのエピソードが並行して進んでいく。  片方のエピソードは北海道から憧れの人を追いかける女子高校生と付いて来てしまうボーイフレンド。憧れの人の影を追い続けることで大人の世界の夢と現実を知っていく。その意味ではひと夏の成長もの。  もう片方のエピソードは、捜されている方の男が一旦夢破れ、とりあえずの今を生きながら、周りの人間の変化や新しい出会いを見つけていく。近い過去を振り返りながら夢を改めて語るのは、「夢を食って生きていけるか」もの。

 予告編でひたすら流れる尾崎豊の曲は主題歌として時代を表す設定にとどまり、あまり表に出てこないことに好感が持てる。あとは夢を語ってしまう青臭さをどこまで認められるかにかかっているだろう。個人的にはぎりぎりセーフのレベル。

 役者では女子高校生役の仲間由紀恵が主演として立派にこなしている印象。マンガの「ヘヘッ」というような笑い方ができるようになってから変わった気がする。あとは相手役の一條俊松たか子を思わせる顔で今ひとつバランスが悪いのが残念。大人側では津田寛治が目立つ。

 その他、あまり北海道を舞台にする意味がない点、1987年にしてはあり得ない建物が映っている点、伊藤英明が夢より女を追っかけているようにしか見えない点など突っ込むところはいくつかあるもののきちんと観られる作品になっている。  これから伸びるだろうアーティストの曲が挿入曲としていくつもかかるが、個人的には当時の曲にしてもらっても良かったように思う。

(評価:★3)

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