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[コメント] 暁の脱走(1950/日)

春美はファムファタールです。
バーボンボンバー

フィルムノワール的だけど敗戦色強し。スタイリッシュのかけらも無い。

春美がとことんダメな女、というか、「もーやめろよー」と云いたくなるような行動ばかりで、辛い。「三上、三上」と呼ぶのが可笑しい。

ストーリーの見せ方、ラストへの盛り上がりが巧い。

端役の女性がもの凄く可愛かった。春美の後輩の慰問団の歌手で、冒頭でテーブルの上に立って泣きながら歌う人です。多分若山セツ子かな。素敵でした。

しかし、映像の罪はここにあると私思うのです。『雨に唄えば』のデビー・レイノルズもそうなのですが、いやまぁ一般的に云えばモンローオードリー若尾文子…これらみんなもそうですが、映像の中に美しい女性がいようと、その女性はもういないのです。おばあさんになっているか、死んでいるか、なのです。同時代の映像を見ればスクリーンの中の女性に恋をすることが可能ですが、それ以外の映像の中の女性に恋をするのは絶望でしかないのです。

(評価:★4)

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