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[コメント] 真夜中のカーボーイ(1969/米)

ダスティン・ホフマンの片足とジョン・ボイトの格好。
バーボンボンバー

片足が不自由なこの青年は、この時代に『フルメタル・ジャケット』もできない。『ディア・ハンター』もできない。ましてや『イージー・ライダー』もできない。雑巾のように生きていく。片足、いつも片足で立っている。そしてその青年はノイズを嫌う。それは案山子(『スケアクロウ』)のように。この映画は重苦しい70年代を予感させる、アメリカ映画史に残る傑作であると思う。とてもこの映画が出来た年にアポロが月に着陸したとは思えない。

そして田舎から出てきた青年は、都会(ラジオ)と故郷(カーボーイ衣装)のどちらを選ぶのか。ラスト、ジョン・ボイトはどんな姿をしているのか。

音楽が涙誘いすぎ。その割にスッと終わる終わり方もステキ。カット割り(というのかな)が最高。階段のシーン、ショーウィンドーの前で立ち尽くすシーンなど。あとピントが最高。

ダスティン・ホフマンって短気で、すぐ家具とか蹴っ飛ばしたり、「ファック!」とか「シット!」とかよく言ったり、そういうカッコつけみたいな役が多くて、いつも似合わないなあって思っていたけど、この役はすごい。 相変わらず短気だけど、カッコ悪いのがたまらない。そこがカッコいい。この役以上のダスティン・ホフマンはもう見れないんじゃないかと思う。はまり役?というより名演?

いやー、たまらない映画でした。

(評価:★4)

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