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[コメント] es [エス](2001/独)

あー疲れた。やな映画だ。茶化そう。
そね

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







非常にイヤな気分にさせていただきました。誰のせいでこうなったのかを私なりに考えてみました。

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◎本命:トーン教授

 模範的な回答でございます。この映画では、彼がどういう人間なのかが全くといってよいほど描かれていませんので、お前が悪いお前が悪いと簡単に決め付けるのもどんなもんだろうと思いますが、まあ悪いのは全部こいつだよねといえば丸くおさまります。ニュース番組のコメンテーターは、「人間というのは怖いものですね」&「誰よりも教授が悪いですね」とだけ言って眉をしかめてさえいれば、抗議の電話はあまりこないでしょう。

○対抗:タレク(77番)

 被験者の中で、こいつだけが「話を派手に面白くしよう」としちゃいました。迷惑です。そのくせ後半ではビビリまくってます。自分の尻もぬぐえないダメな人です。閉所恐怖症なのに「体当たり監獄レポ」を決行しちゃうのだって身の程知らずです。だいたい元はといえば、最初にこいつが騒ぎを大きくしたせいで、看守役も囚人役も興奮してしまったのではありませんか。そして何より、こいつだけ14000マルクを手に入れようとしているのがいけません。他のおともだちは4000マルクのために狂わされたのに不公平です。しかもこいつは、最後まで死ぬことも逮捕されることもなく、海辺で女と微笑みあってます。困ったおともだちです。とってもいけない人です。

▲単穴:ベルス(金髪ワキガ石鹸)

 こいつは「臭い」と言われたあたりから狂ってしまいました。その狂気が、他のお友達にも伝染してしまいました。いけない人です。簡単な悪口を言われただけなのに狂いすぎです。あそこまで悔しがっていたのはなぜでしょう。そこで思い出すのは、看守達の中で彼だけが子供の写真を持っていなかったエピソード。あの時、彼は「いい父親だ!」と真剣に怒ってました。きっと娘からも「臭い」と言われたことがあるのだなということは容易に想像できますね。「パパ嫌い。臭いから嫌い。近くに来ないでよ、なにしてんの、写真? 撮らなくていいわよ」なんてことを言われたのかもしれません。生意気な娘ですね。彼は囚人をぶん殴りながら、頭の中では娘をぶん殴っていたのかもしれません。まあ、そこまで気になるのだったら、最初から体臭に気を配るべきでした。クシで頭を整えるヒマがあったら体臭を消すべきでした。もしもタレクの悪口が「このキザ野郎!」とか、「お前、制服フェチだろ!」などの言葉だったら、ここまで騒ぎは大きくならなかったことでしょう。残念です。それにしても、完璧主義の人は単純な悪口ですっかり狼狽してしまうのですね。変なことを言ったら居酒屋で刺されるかもしれません。気をつけたいものです。

△連下:シュタインホフ(38番だ)

 騒ぎを止めようとするなら、この人がもう少し頑張るべきだったと思います。タレクが頭を剃られたあたりで、みんなを集めて、きちんと話し合いをして、「暴力をふるわない」などの取り決めなどについて確認しあうべきだったのではないでしょうか。きっとベルスは「軍人」とかいうような威圧的な響きに弱いはずです。助手の女よりも、こいつが大きな声で一喝したほうが効き目あったと思います。みんなおかしくなってから「僕ちゃん軍人でスパイやってるんだけどさあ、なんかヤバいからもうやめる。みんなもやめない?」なんてことを言ってしまったら、ベルスあたりに殺されるかもしれませんが、完全におかしくなる前であれば、みんな意外と簡単に目が覚めたのではないでしょうか。

×大穴その1:グリム博士(レイプ危機一髪)

 この人は威厳がないです。威厳がないのに威張ります。イライラしている男達を、よけいイライラさせるような顔をしています。もっとこう、バカっぽくてセクシーなお姉ちゃんだったら、みんな実験なんか真剣にやらなかったのではないか、看守も囚人も仲良くヘラヘラ猥談にふけりながら、まるで修学旅行のような二週間を過ごすことができたんじゃないかと思うのです。それじゃあ実験が成功しないじゃんと言われたらそれまでなのですが。トーン教授だって、もしも美人なお色気姉ちゃんと一緒に研究していたならば、そもそもこんな不健全な実験なんて考え付かなかったかもしれません。こういうことを書くと女性蔑視だとか言われるのかもしれませんので、そろそろやめます。ついでに謝ります。ごめんなさい。

×大穴その2:プレスリーの物真似の人(でかメガネ)

 少しずつ看守達がカリカリした人間になってしまったのは、こいつの不愉快な歌にウンザリしていたせいもあるのではないかと思います。やってくれと言われたわけでもないのに、しつこい物真似を無理矢理に聞かせるのはいけないと思います。だいたいお前はプロだろ、金も取ってないのに、呼ばれてもいないのに芸を披露するもんじゃないよ。そう言いたいです。

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 それにしても、あの恋人がいてもいなくても良かったじゃんと言い切れないのがまたイヤな感じです。あれいないと、ただひたすら「勘弁して」って映画だったことでしょう。あー。やだなあ。たまんないなあ。彼女だけが観客をタルませてくれたのですね。でもやっぱり、別にどうでもよかったよなあ。あの女。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (16 人)桂木京介 プロキオン14[*] IN4MATION[*] バジル Tanz[*] 赤目 kenjiban 24 muffler&silencer[消音装置] Alcoholic[*] takamari[*] マルチェロ[*] セカン mal[*] tredair[*] sawa:38[*]

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