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[コメント] レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―(2009/中国)

「言いたいことは色いろあるさ、でも・・・・」って感じで語りたかったけど、良かった部分があんまり思いつかない。「張飛」というキャラクターは凄いなぁ、って再認識したって事ぐらい?
佐保家

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







画面に登場して一言喋っただけでどんなキャラか一目瞭然。やっぱり、すげぇわアイツ

それ以外の登場人物から湧き出るべき魅力が全く感じられないのは如何なものなんすかね。孫呉はともかく魏陣営、特に曹操の魅力の無さっぷりは酷い。バカだし

結局周瑜・孔明組の知略どうこうよりも、曹操のバカっぷりで負けたって感じ。敵を演出する際に「小悪党描写」に逃げれば逃げるほど主役側も安っぽくなっていく、っていう最近よくあるパターンですな。

中盤で兵士の療養所を訪れ演説する場面なんて本来燃えどころのはずでしょう。なのに、それまでの小悪党ぶりのせいで何を言っても説得力皆無。清濁併せ呑む英雄って立ち位置だったのならともかく映画内では「大悪党」って設定なんだからこんな下っ端に媚びるような事をやっちゃダメでしょう。どうせなら、兵士が曹操に抱いている恐怖感みたいなのを表現すべきシーンだったんじゃないかなぁ「生きていても役に立たんのならば、軍律の為にその生命を捧げよ」とか言っちゃうとか。

そもそも「無能なのは許すけど俺に恥をかかせるのは許さん」なんて本来の曹操とは真逆なのよね。コッチのほうが悪役っぽいから、そう喋らせたんだろうけど。

あとさぁ、孫尚香とか小喬に尺を取るくらいなら黄蓋の苦肉の策とかスルーせずに悲壮感たっぷりにいてくれよ。あれじゃあ黄蓋さんが単なるM親父にしかみえねえじゃねえか。ジョン・ウーなら、こういう男たちの情念みたいなのを描いてくれる人だと思ってたんだがなぁ。

つうか、なんであのタイミングで嫁が曹操の所に行くのかマジでわからんのですが。あの時点で、孔明が東南の風が吹く可能性をすでに喋ってるしさ。言うほど絶望的じゃないよね。毒殺とかエロシーンとかをちょっと期待してたんだけど、結局は「みんなが頑張ってるのにアタシだけ黙ってる訳にはいかない」とか、もうお前それ超迷惑なんですけど。もっと色仕掛けとかお前にしか出来ないことがあるだろうが。まぁ結果的に時間稼ぎに貢献したけどさ・・・

これからは三国志の入門編的作品として紹介されたりしていくんだろうなぁ。こんなん見るぐらいなら片山まさゆきの「SWEET三国志」を読んでくれ、面白くて分かりやすいから。

結局は制作側に本気で三国志を作るって気持ちが無かったってだけの事なんでしょうね。1の時点で嫌な予感はしてたけどね・・・

最後に良かった点を一つだけ思い出しました。

孫兄妹から団子のお椀を押し付けられた魯粛さんのシーン。みんなから面倒事を押し付けられちゃいがちな演義での彼のキャラを上手く現してると思います。どうせなら全員のお椀をもってアワアワしてる魯粛さんをずっと見ていたかったですが。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)CRIMSON[*] けにろん[*]

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